住宅と相続 住宅はどう相続対象になるの?一次相続ではかからない相続税が、二次相続では3000万円超?

皆さんの保有資産をみていくと、不動産資産の割合が資産の中で一番大きいということが多くのケースであります。
相続が発生すると住宅はどのように相続の課税に影響してくるでしょうか?

土地部分は相続税路線価を基準とした計算で、建物部分は固定資産税評価額が相続課税資産となります。相続税路線価は実際の取引価格に近いとされる公示価格の8割程度とされています。

例えば土地が3000万円の市場価格であれば2400万円程度ということになりますが、個々の土地で異なるので実際に確認する必要があります。

不動産資産をふくむ相続資産全体に対する相続税の計算方法は平成27年の相続税改正により大幅な変更されました。基礎控除額が大幅に減少し、相続税の申告対象者が増加し同じ資産であれば相続税は随分と増額となりました。

法定相続人 3人(母と子供2人)

相続税基礎控除額(平成26年) 8000万円

 

 

相続税基礎控除額(平成27年1月1日以降) 4800万円

保有資産が上記の基礎控除額を超えている場合、相続税の課税対象資産は平成27年以降3200万円増加したことを意味します。

累進税率で他の資産との合計金額次第ですが、この増加部分だけで30%の税率であれば960万円、40%の税率であれば1280万円の相続税が増加したということになります。

また、不動産資産が大きい場合で現金化できる金融資産が少ない場合は、相続税を支払えないという状況も考えられることから、納税資金をどう確保していくかも検討課題となります。

従ってこの住宅を含む不動産資産をどのように保有し、どう子供世代に引き継ぐかを考えることは相続対策をしていく上でますます重要な位置づけとなっています。

中でも自宅の土地と特定同族会社事業用土地は、小規模宅地の特例に該当すれば80%が減額されることからその効果の大きさからまず考慮すべき検討項目の一つです。

故人に配偶者がいる場合は、配偶者が土地を相続すれば上記の小規模宅地の特例に該当し、また配偶者の税額の軽減があり法定相続分または1億6000万円のどちらか大きい金額まで相続税はかかりません。

これを理由として、一次相続で配偶者に資産を集中させることがあり、そうすると相続税を支払わなくて済むケースもあります。

しかし、資産をこのように配偶者に集中させてしまうと、次の二次相続の際に小規模宅地の特例に該当しない場合は、土地の相続税評価額がそのまま課税対象となる上にその他資産も配偶者の税額の軽減のない状況で累進課税率で課税されることになります。

相続人:母、子供2人

相続資産

自宅土地(相続税路線価評価)

5000万円

自宅建物(固定資産税評価)

800万円

賃貸マンション等その他不動産
(相続税課税評価額合計)

8000万円

貯金

3000万円

株式

3200万円

相続資産合計額

2億円

相続税額(配偶者がすべて相続)

0円

上記の相続資産合計額は2億円ですが実は配偶者がすべて相続した場合相続税はかかりません。なぜなら配偶者が土地を相続すると小規模宅地の特例によって80%の減額が適用となり5000万円の課税評価額は1000万円となります。

そうすると相続税課税評価額の合計は1億6000万円になります。
配偶者は1億6000万円まで税額の軽減制度の対象となりますので相続税の支払いは発生しません。

それでは、配偶者である母がなくなり子供が相続する二次相続の段階ではどうなるでしょうか?
父の死後、次の相続が発生するまで資産が減少している場合もありますが、それほど時を経ずして母の相続が発生するケースや逆に時間がある場合でも不動産資産がある場合などは家賃収入が発生するなどして資産が増えていくこともあります。

仮に上記の資産状況が変わらなかった場合の子供の相続税額はどうなるでしょうか?

相続人:子供2人

相続資産

自宅土地(相続税路線価評価)

5000万円

自宅建物(固定資産税評価)

800万円

賃貸マンション等その他不動産(相続税課税評価額合計)

8000万円

貯金

3000万円

株式

3200万円

相続資産合計額

2億円

相続税額

3340万円

単純に問題を先送りすると何と3340万円の相続税が発生する可能性があります。

子供の相続税額が大きくなることが見込まれるのであれば、一次相続の段階で子供への資産配分することや、考え方が合致すれば当初から二世帯住宅や子供と同居することなども十分な検討対象となってきます。

親の住居に子供世帯が同居したり、土地に子供名義で二世帯住宅を建設して小規模宅地の特例に該当することができたりすれば評価額が4000万円減少し、相続税は1200万円減少します。

しかし、それでも1億6000万円の相続資産額、2140万円の相続税が発生しますので、非課税枠を活用した贈与やその他の対策を検討もできるかもしれません。

ただ、資産を残す親世帯も今後の生活や計画もありますので相続対策だけを考えるわけにもいきません。

対策には短期的にできるものや長期間かけていった方が良いものなど様々で、適正に計画的組み立てていくことによって理想的な相続に近づいていきます。

長期的な計画については、キャッシュフロー表に基づき今後の収入見込みに対し生活や余暇や旅行等を含む計画のためにどれくらい残していれば安心なのか等を時系列で数値化することによって、具体的な対策が可能になってきます。

また、相続は相続税の納税資金の問題だけでなく、残す側がどのような思いで誰にどうバトンを渡していくかを伝えるということがとても重要です。特に意思を残さなかった場合で、例えば不動産資産に法定相続通りに共有持ち分を持つことになった場合、先々はその子どもや配偶者そしてまたその子と所有者が次々と増えていき、管理も売却もより困難になるということも想定されます。

そして経営者であれば、会社で保有する不動産やその他内部了保されていっている資産等を含むと相続資産となる自社株評価が想定したよりもはるかに大きくなっていることもあります。相続税や納税資金の問題のみならずこれを法定相続通りに相続させた場合、望んでいる後継者の十分な経営権を確保できない場合や他の相続人との争いに発展するなどの懸念も考えられます。

一方で残される方も様々な想いをもっており残す側やその他の法定相続人と意見を異にすることも多くあります。仲の良かった家族が相続をきっかけに骨肉の争いに発展するケースなど耳にすることもあるかと思います。これは遺産を家族に残す側にしてみれば最も望まない形ではないでしょうか。

家族を失っている状況はそれでなくても相続人は感情的に錯綜していたり混乱して疲労が蓄積していたりする状況でもあります。

従って、家族をいらぬ争いに巻き込まないよう残す側はしっかりとその想いと意思をしっかり伝えていただき、家族円満な相続の状況を作っていただければと思います。

当事務所では個々のご家庭の状況やご希望に応じた相続の準備や対策のお手伝いをさせていただいております。

状況により最適と考えられる税理士や弁護士、司法書士等各専門家とチームを組んで最善の解決策を目指しています。

それほど費用をかけない方が良いと思われるケースや、ある程度費用をかけても本格的な対策をした方が良いケースもあります。

感じていただける効果以上の費用は発生いたしませんので是非安心してお気軽にご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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